中国人作曲家「汪立三」メモリアル

上海音楽学院の入口に、行きつけの楽譜屋さんがあります。日本の楽譜屋さんが日本オリジナルの作品がたくさん置いてあると同様に、中国でしか入手できない民族音楽の楽譜、音楽雑誌やCDなど、ずらりと並んでいます。

 

たまたま、レジ横の雑誌が気になり、「鋼琴芸術(ピアノの芸術)」という、中国の大手音楽出版社「人民音楽出版社」が出版している月刊誌です。開いてみたら20137月に亡くなられたばかりの中国人作曲家「汪立三」の特集が載っていました。特集では、汪氏の生い立ち、作品特徴、創作の逸話など、語りかけてくるように書かれています。

 

汪立三は、1933年四川省ケン為県で生まれ、幼い頃から音楽を濃く愛し、1954年上海音楽学院作曲科入学しました。卒業後ハルビンの師範大学で院長として勤め、作曲活動以外、音楽教育や音楽理論の研究にも取り組んでいました。汪氏は、西洋音楽の理論知識を生かし、民族楽器の音色、伝統舞踊のリズム、詩画といった中国の伝統文化を作品に取り入れ、多彩な作品を次々生み出しました。その代表作として、「東山魁夷画意組曲」、「他山集」、「蘭の花」など挙げられます。

 

また、汪氏自身も画家であったため、絵に対して独自の解説や理解を持っていました。日本の東山魁夷画伯が唐招提寺御影堂におさめた障壁画から、インスピレーションを受け、作曲した「東山魁夷画意組曲」は、東山魁夷からも高い評価を受けていました。

 

その組曲の四曲目「濤声」はつい最近、日中友好コンサートで演奏させていただきました。1250年前に鑑真和尚が来日し、その物語を日本の画家が絵で表現し、また中国人の作曲家に繋がり、世界各地で演奏されることにより、人々に鑑真和尚の精神を伝えていく、世代を越える人と人の結びつきが感じられる一曲です。曲中、日本の音階と中国お寺の鐘と思わせる冒頭の響きの応用は、日本と中国の音楽が一体となったように思わせます。

 

記事を読み終わって、10年前にすでに汪氏の作品を弾いていたことに気づきました。組曲「他山集」中の「民間玩具」という曲は、ある年の上海音楽協会が主催するピアノグレード試験10級の課題曲でした。その年の夏、13歳くらいの私はなんじゃこの雄鳥の鳴き声と困惑半分面白半分で弾いていました。今から、もう一度味わってみたいと思います

 

2013年10月14日

♥おまけ♥

 

=楽譜屋さん情報=

♪天天艺术(英語版あり)

HP:http://www.tt-art.com

住所:中国上海市徐汇区汾阳路28号

 

♪上海音楽家協会(中国語のみ)

HP:http://www.shmusic.org/

 

♪オンライン雑誌(中国語のみ)

http://www.qikan.com.cn/

あらゆる雑誌がインターネット上で購入できます。